嘘も孤独も全部まとめて
「で、このベッドに運び込まれたってわけだ」


「……あたし…」


透と一緒に居るようになって、他の男について行くことなんてあり得ないと思ってたのに。


「何も…してない、よね…?」


「それは俺に言われても分かんねーよ」


引っ張る手を上下左右に動かす透。


「い…いひゃい…」


引っ張られるせいで、うまく喋られない。


「本当に、何にもされてない…よな?」


ごろりと転がってあたしの顔の横に両手をつき、上からあたしを見下ろす。


「……た、多分…」


自信が持てなくて、思わず声が小さくなった。


「んっ…」


透の唇があたしの唇を塞ぐ。
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