嘘も孤独も全部まとめて
「もう、そのつもりだけど…」


透が言い出さない限り、離れるつもりはない。


……とか言いながら、離れるって言われても離れられないんだろうな…。


壊れてしまわないか心配しながら、バラのクマを優しく抱き締める。


「それ、三百六十五本使ってるんだ」


「へーっ」


何か、一年…三百六十五日みたい。


「愛してる」


「えっ!」


突然真顔で言われ、心臓が大きく跳ねた。


「バラの花言葉」


何だ…。


せっかくドキッとしたのに、ただの花言葉だと言われ複雑な気分になる。


「それが三百六十五本だから、一年中って意味」


一年中、愛してる…。
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