嘘も孤独も全部まとめて
言葉にはしなくても、透の気持ちが伝わってきて思わず笑みが溢れた。


「ありがと」


「どういたしまして。さーて、せっかくのロイヤルスイートだ。堪能させてもらおうか」


え…。

もっと甘い雰囲気になるかと思ってたのに…。


クリスマスという行事に淡い幻想を抱いているあたしもあたしだけど、あまりに透があっさりしていて拍子抜けする。

ベッドから抜け出した透を追いかけた。

床がふかふかで、素足なのに気持ちいい。


「杏里紗、見てみろ」


透の後ろから覗き込むとそこは全面ガラス張りのバスルームで、丸いジャグジーになっている。
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