嘘も孤独も全部まとめて
「昨日、飯も食えなかったし風呂も入れなかったんだ」


そう言いながら、ジャグジーにお湯を貯め始める透。


「…あたしもだけどね…」


思い出すだけでもツラくなる一晩。


「一緒に入るか」


振り返った透があたしの頭に手を回し、グイッと引き寄せられた。


「えっ!」


普段、別々に入っているお風呂。

広さを考えたら当たり前なんだけど。

何度も裸は見ているけれど。

でも、それとこれとは訳が違う。


「夜の間だったら夜景が綺麗だったんだろうな。ごめんな」


何度も謝る透。
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