嘘も孤独も全部まとめて
「いーよ。何回も謝らないで。こんな風に透と過ごせるなんて、思いもしなかったもん」


眼下に広がる街並みは、夜と朝の境目だ。


「立花様さま、だな」


「誰?」


「杏里紗がついて行った男の名前」


何で名前知ってるの?


そう思ったけれど、聞かない方が良いような気がして『ふーん…』と呟いた。


「すっげー。ブラックライトじゃん」


電気を消すと、白い浴槽が青白く照らされる。


「入ろ」


あたしの背中に両手を回し、チャックを下ろしていく。
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