嘘も孤独も全部まとめて
「お前に飲ませると長いんだよ」


安藤と飲みに行くといつも午前様。

休み前ならともかく、次の日が仕事でもお構いなし。


そりゃ、こいつと結婚したがる奴居ねーわ。


『じゃあ教えない』


電話の向こうで膨れる姿を想像する。


ガキかよ…。


「じゃあいいよ。もう飲みに行かねーから」


『あ、待って。ごめんなさい。嘘です、因幡さん。それだけは…』


「『さん』付けするな、気持ち悪い」


『だって因幡くんが意地悪言うから』


安藤と話をしていると、雑巾を洗い終った戸田が眉間に皺を寄せながら戻ってきた。
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