嘘も孤独も全部まとめて
「言えば買ったのに」


大きくため息を吐かれる。


呆れられたかな…。


「……ごめんなさい」


下を向きながら謝ると、胸を隠していた両手首を掴まれ引っ張られた。

後頭部と腰に回された透の手があたしをギュッと抱き締める。


「油断し過ぎ…。他の男に見られんなよ…」


「え…」


「アイツ…これ見たんだって。見えたって言ってた。本当かどうか分かんねーけど」


「――っ…」


指先で肩や鎖骨、胸元についた赤い痕をなぞった。


「やっ…」


背中がぞくぞくして透の服を握り締めると、近付いてきた透の舌があたしの首筋を這う。
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