嘘も孤独も全部まとめて
『新郎様とご一緒に歩かれるケースもございますよ』


生まれる前から二人は繋がっていた、一緒に人生を歩んできたという意味合いを込めて。

だから透にお願いして一緒に歩いてもらうことにした。


『新郎様と歩かれる場合は、聖壇まで立ち止まらずにそのままお進みください』


聖壇まで立ち止まらずに…。


頭の中で予行練習をしていると


「行ってらっしゃいませ」


スタッフの人がそう言って扉を開けた。

透があたしのベールを下ろしてくれた瞬間、中からたくさんのシャッター音が聞こえてくる。

お互いに視線を合わせた後、肘を曲げた透の腕に手を添え、真正面を向いて歩きだした。
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