嘘も孤独も全部まとめて
「ちょっ…、離れろ!」


「何でよ。透だって戸田さんとはあたしに言えないような仲なんでしょ!」


俺を睨み、唇を尖らせた。


何でパーティーの最中に、修羅場みたいな雰囲気になってんだよ。

今日は俺達の結婚式なんだぞ!


「誤解だって。どうやったら分かってもらえるんだ」


「……安藤さんの名前まで出てくるし…」


じわりと歪む杏里紗の表情。


あーっ、もうっ!


戸田の腕を振り払い、杏里紗の腕を掴んで岡本から引き剥がす。

バランスを崩した彼女の顔を両手で挟み、そのまま唇にキスをした。

周りから上がる感嘆の声。
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