嘘も孤独も全部まとめて
「……ごめん…なさい…」


「めんどくさい奴で悪いな」


悲しそうに笑いながら、右手の人差し指であたしの頬を撫でる。

あたしが透の周りに居る女の人に嫉妬しているように、透も嫉妬してくれていたんだ。


ヤバい…。

めちゃくちゃ嬉しいんだけど。


「あたし――」


喋ろうと口を開いた時


「ご歓談中、大変失礼いたします」


司会進行役をしてくれているスタッフが、マイクで話し始めた。

談笑中だった皆が静かになり、スタッフに注目する。
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