嘘も孤独も全部まとめて
「……最初のうちは仕事で疲れて帰ってきても、杏里紗の顔を見たらホッとできてたんです…。でも、彼氏ができて自分の好きなことをしたくなってからは、杏里紗の面倒を見ることが徐々に苦痛になってきて……」


ずっと俯きながら話す母親。

肩も声も震えている。


「何もできないくせにお金ばかりかかって…。…そんな風に思うようになりました…。気が付けば、イライラすると杏里紗に当たるようになって…。『ごめんなさい』って謝るその姿さえ、許せなくなっていました…」


そっか…。

あたし…そんな風に思われてたんだ…。


喉をギュッと絞められているみたいに呼吸するのがツラい。
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