嘘も孤独も全部まとめて
「色々な男が居ました…。ほとんどが体かお金を要求する男ばかりで…。普通で考えたらおかしいって思うはずなのに、自分が必要とされている…。そう思ったら、それが愛されていることだと……思っていました」


幸せなはずの結婚式で、何でこんなこと聞かされないといけないの…。


顔を上げたら、スタッフの人も眉を寄せ困ったように立っていた。


「娘が……」


そう言ってあたしを見る母親。

目が合い思わず逸らそうとしたものの、その視線から逃れることができない。


「……杏里紗が、当時付き合っていた男に暴力を振るわれていました…」


背中に鳥肌が立つ。


あの男のことだ――。
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