嘘も孤独も全部まとめて
「ん」
ポケットから指輪を取り出す。
肌身離さず持ち歩いていた透の指輪。
差し出すと、それを手に取った透がくるりと体を反転させた。
それをそのまま海に投げ飛ばす。
「えっ……」
あっという間の出来事で、瞬きする暇もなかった。
「嘘でしょ?ずっと大切に取っておいたものじゃ…」
何で――…。
「別に後生大事に取ってたわけじゃない。ただ手放すきっかけがなかっただけだ。今はここにもっと大切な物があるからな」
あたしの手を取り、真冬の砂浜に跪く。
ポケットから指輪を取り出す。
肌身離さず持ち歩いていた透の指輪。
差し出すと、それを手に取った透がくるりと体を反転させた。
それをそのまま海に投げ飛ばす。
「えっ……」
あっという間の出来事で、瞬きする暇もなかった。
「嘘でしょ?ずっと大切に取っておいたものじゃ…」
何で――…。
「別に後生大事に取ってたわけじゃない。ただ手放すきっかけがなかっただけだ。今はここにもっと大切な物があるからな」
あたしの手を取り、真冬の砂浜に跪く。