嘘も孤独も全部まとめて
やかんを取り出し、蛇口をひねって水を出す。

コンロに乗せて換気扇を回したら、無性に寂しくなってきた。


何で一人暮らしみたいになってんの…。


今までは捕まえた男達が色々してくれていた。

だから、何不自由なく好きなことができたのに。


これ食べたら別の男捜そ…。


何のためにここに居るのか分からなくなり、また他の男を捜すことに決めた。


そうと決めたら、さっさと食べてさっさと出ていこう。


お湯が沸くまでの間、オレンジ色に光るガスの火をただジッと眺めていた。
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