嘘も孤独も全部まとめて
「とりあえず、悪いことしてないんだからこれ以上付き合う必要ないでしょ」


「……確かに、今回貴女にかけられた容疑は晴れたわけだし、これ以上拘束する理由はないわね」


「あっそ、じゃ」


「でも窃盗容疑と保護の話は別よ」


立ち上がったあたしにオバサンが話を続ける。


「だから必要ない」


「因幡透」


「え…」


何でこのオバサンがアイツの名前知ってるの?


「って、知ってる?」


「……知らない」


「ふーん…」


薄笑いするオバサンを睨み付けて交番を出た。
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