嘘も孤独も全部まとめて
マジで?

もしかして逃げた?


「お前、またそんなこと…」


「因幡さん、どうしたんですか?突然走り出して」


男が呆れた声を出すと、後ろから女が走ってきた。


「いや…、ちょっとな」


女があたしを見て眉間に皺を寄せる。


誰?

もしかして彼女…?


胸の中がざわざわする。


何、このモヤモヤは…。


「誰ですか?」


あたしから男に視線を移し、問いかけた。


「知り合い」


は?

知り合い?


男の言葉に目を見開いた。
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