嘘も孤独も全部まとめて
「お前な、勝手に出て行くなよ」


「アンタが帰ってこなかったんだろ!」


女があたし達を交互に見ている。


「……悪かった。鍵置いていくの忘れてたんだ」


そっか…。

鍵忘れてただけなんだ…。


鍵がなかった理由が分かり、少しホッとした。


「いや…違う。鍵忘れてたのもそうだけど、丸一日帰ってこないとかおかしいじゃん!」


「家を空けてることが多いって言っただろーが」


「あた……あたし…」


あれ…。

何だこれ…。


頬を触ると濡れている。
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