嘘も孤独も全部まとめて
抗議のために睨み付けたら、女はプイと顔を反らしドスドス足音を鳴らしながら、座り込む俺の間に足を踏み入れ洗面台で手を洗っていた。


「ごめん」


頭上から声が降ってくる。


「冷てっ!」


やり方が荒いのか、水が飛んできて頭や耳にかかった。

『ふふっ』と笑う声が聞こえる。


……ガキのくせに…。


立ち上がって風呂から出た。

やかんの火を止め、買っておいたカップ麺にお湯を注ごうと部屋に持って行く。


「あたし、これ食べたい」


コンビニの袋から食べ物を出していると、俺が食べようと思っていたカップ麺を奪われた。
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