嘘も孤独も全部まとめて
「だから、それは俺が食べようと思ってたヤツ!」


蓋を剥がし、割り箸を割って勝手に食べ始める。


「おいっ!」


「因幡さんって、眉間に皺寄せてばっかりだね。そのうち、そこの皺だけ取れなくなるよ」


「はーっ…」


大きくため息を吐いて、右手の人差し指と中指、薬指で眉間を擦る。


そんなに険しい表情ばかりしていたのか?


鏡で自分の顔を見る機会があまりないからか、普段どんな表情をしているのかが分からない。
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