嘘も孤独も全部まとめて
「因幡さん」


俯き目を閉じていると、肩をトントン叩かれた。


「何だ」


顔を上げると、目の前にラーメンとラーメンを掴んだ箸が差し出されている。


「食べたいんでしょ?」


「いや…食べたいとは言ったけど…」


「はい。あーん」


唇に押し付けてくる。


「自分で食べる」


「何よ!若い子が食べさせてあげてるんだから、ありがたく食べなよ!」


……若い子。


ずいぶん尖った人間かと思えば、人に施しを与えようとするし…。


「若い奴は何考えてんのか分からん」


そう呟けば、目を丸くして首を傾げる。
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