聖女、君子じゃございません
1.わたし、聖女じゃありませんケド?
「お迎えに上がりました、聖女様」
国の郊外にある小さな一軒家。人目を避けるようにして建てられたそこに、俺はいた。
中から出てきたのは、花びらのようなシルバーピンクの髪色にペリドットのような瞳をした、妖精と見まごうほどに可憐で美しい少女。身に纏う神聖なオーラやその美しさから、彼女が神に愛されていることは一目瞭然だ。
「……はい? 聖女? 誰のことですか、それ。この家にはわたし一人しか住んでいないんですケド」
けれど、目の前の少女から返って来たのはそんな言葉だった。
どこか気の抜けた声音に砕けた口調。見た目とのギャップが激しい。そこだけが俺の想像していた聖女像と絶妙にズレてしまっている。
「いや、あなたが聖女様だとお見受けしますが」
「わたしが? まっさかーー、そんなことあるわけナイじゃありませんか」
少女はクスクス笑いながら俺のことを見上げた。
国の郊外にある小さな一軒家。人目を避けるようにして建てられたそこに、俺はいた。
中から出てきたのは、花びらのようなシルバーピンクの髪色にペリドットのような瞳をした、妖精と見まごうほどに可憐で美しい少女。身に纏う神聖なオーラやその美しさから、彼女が神に愛されていることは一目瞭然だ。
「……はい? 聖女? 誰のことですか、それ。この家にはわたし一人しか住んでいないんですケド」
けれど、目の前の少女から返って来たのはそんな言葉だった。
どこか気の抜けた声音に砕けた口調。見た目とのギャップが激しい。そこだけが俺の想像していた聖女像と絶妙にズレてしまっている。
「いや、あなたが聖女様だとお見受けしますが」
「わたしが? まっさかーー、そんなことあるわけナイじゃありませんか」
少女はクスクス笑いながら俺のことを見上げた。
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