聖女、君子じゃございません
【番外編】聖女の誘惑
どうも、聖女アーシュラです。
突然ですが、わたしにはとっても堅物で、融通の利かない婚約者様がいます。
「――――ですから、一緒に眠るのはダメだって言ってるでしょう?」
「何でですか? 婚約したんだし、良いじゃありませんかっ」
出会って以降、何回目になるか分からないやり取り。だけど、何回頼んでも、ローラン様は全然折れてくれない。
「前にも言ったでしょう? 結婚するまでダメだって。アーシュラ様も納得していたじゃありませんか」
「そうですけど……そうなんですけどもぉ」
だってわたしは、ローラン様と片時も離れたくない。
ローラン様を抱き締めて、綺麗な顔を思う存分眺めて、一晩中甘やかされたい。よしよしって撫でられて、わたしもローラン様を撫でて、二人で仲良く笑い合いたい。
大体、想いが通じ合った男女が触れ合いたいって思うのは当然の事でしょう。だけど、ローラン様の方はどうも違うらしい。貴族だからか。堅物だからか。はたまた別の理由があるのか――――。
(だからといって諦めるわたしじゃないけどね!)
だってわたしは、聖女らしくない聖女だもの! ローラン様のお墨付きだもん!
『聖女は君子じゃなかったのか』
そうですとも。わたしは欲に忠実な女子ですから! 聖女だけど、君子ではありませんから!
絶対、ローラン様をその気にさせて見せます!
突然ですが、わたしにはとっても堅物で、融通の利かない婚約者様がいます。
「――――ですから、一緒に眠るのはダメだって言ってるでしょう?」
「何でですか? 婚約したんだし、良いじゃありませんかっ」
出会って以降、何回目になるか分からないやり取り。だけど、何回頼んでも、ローラン様は全然折れてくれない。
「前にも言ったでしょう? 結婚するまでダメだって。アーシュラ様も納得していたじゃありませんか」
「そうですけど……そうなんですけどもぉ」
だってわたしは、ローラン様と片時も離れたくない。
ローラン様を抱き締めて、綺麗な顔を思う存分眺めて、一晩中甘やかされたい。よしよしって撫でられて、わたしもローラン様を撫でて、二人で仲良く笑い合いたい。
大体、想いが通じ合った男女が触れ合いたいって思うのは当然の事でしょう。だけど、ローラン様の方はどうも違うらしい。貴族だからか。堅物だからか。はたまた別の理由があるのか――――。
(だからといって諦めるわたしじゃないけどね!)
だってわたしは、聖女らしくない聖女だもの! ローラン様のお墨付きだもん!
『聖女は君子じゃなかったのか』
そうですとも。わたしは欲に忠実な女子ですから! 聖女だけど、君子ではありませんから!
絶対、ローラン様をその気にさせて見せます!