聖女、君子じゃございません
「んっ……」
噛みつくみたいな口付けをする。
俺は馬鹿だ。本当に救いようがない。そう思うのに、心がどうしようもないほどに満たされている。
俺はアーシュラ様が欲しかった。聖女だとか君子だとかもうどうでも良かった。アーシュラ様が欲しかった。
「認められるか――――――祝福してもらえるか、分からんですよ」
俺はそう言ってアーシュラ様を抱き締める。腹は決まった。だけど、それがどういう方向に転んでいくかは分からない。俺たちは国王陛下の手のひらの上で動く駒に過ぎない。王太子殿下の問題もある。
「……大丈夫です。わたしは聖女らしさの欠片もない、自分の欲に忠実な図太い女ですから。絶対絶対、何があってもローラン様を放しませんから」
噛みつくみたいな口付けをする。
俺は馬鹿だ。本当に救いようがない。そう思うのに、心がどうしようもないほどに満たされている。
俺はアーシュラ様が欲しかった。聖女だとか君子だとかもうどうでも良かった。アーシュラ様が欲しかった。
「認められるか――――――祝福してもらえるか、分からんですよ」
俺はそう言ってアーシュラ様を抱き締める。腹は決まった。だけど、それがどういう方向に転んでいくかは分からない。俺たちは国王陛下の手のひらの上で動く駒に過ぎない。王太子殿下の問題もある。
「……大丈夫です。わたしは聖女らしさの欠片もない、自分の欲に忠実な図太い女ですから。絶対絶対、何があってもローラン様を放しませんから」