聖女、君子じゃございません
「ローラン様って、恋人には甘々な人なんですねっ」
そう言うアーシュラ様の頬は、ほんのりと紅く染まっている。さっきの会話の中にそんな要素があっただろうか。よく理解できないまま、俺はアーシュラ様の手を握り返した。
「よく分かりません。恋人ができるのは初めてですから」
もっと言えば、誰かを好きになるのも初めての経験だ。恥ずかしいから口にするつもりはないが、紛れもない事実だ。
「そっかそっかぁ」
言えばアーシュラ様は、先程よりも嬉しそうに、瞳をキラキラさせて喜んでいる。
(そんなに嬉しいことだろうか)
一瞬だけそんなことを思ったが、もしもアーシュラ様が過去に、恋人や婚約者がいたとしたら――――決して良い気はしないだろう。下手すれば、相手のことを呪い殺したくなるかもしれない。
そう言うアーシュラ様の頬は、ほんのりと紅く染まっている。さっきの会話の中にそんな要素があっただろうか。よく理解できないまま、俺はアーシュラ様の手を握り返した。
「よく分かりません。恋人ができるのは初めてですから」
もっと言えば、誰かを好きになるのも初めての経験だ。恥ずかしいから口にするつもりはないが、紛れもない事実だ。
「そっかそっかぁ」
言えばアーシュラ様は、先程よりも嬉しそうに、瞳をキラキラさせて喜んでいる。
(そんなに嬉しいことだろうか)
一瞬だけそんなことを思ったが、もしもアーシュラ様が過去に、恋人や婚約者がいたとしたら――――決して良い気はしないだろう。下手すれば、相手のことを呪い殺したくなるかもしれない。