ラブアド〜シオリの物語〜
第二章 携帯小説
もう、これ以上人を愛する事は無い……チュンと別れた直後の俺はそう思っていた……。
女を愛しても、女は愛してくれない……。
俺が愛しても、相手が愛してくれなきゃ意味が無い……。
人を好きになっても、生まれるのは悲しみだけ……怒りだけ……絶望だけ……。
虚しさだけが蓄積されていく……。
心の闇だけが広がっていく……。
悲しみに押し潰されないように、耐えるだけの日々が永遠に続くだけ……。
そんなのはもう嫌だ……。
人は一人では生きていけない。
何かに無性に縋りたいと思う時がある。
唯一の救いは、俺が小説と出会っていた事だ。
小説と出会っていなければ俺はとても生きてはいけなかっただろう……。
このろくでもない世界で、書く事を知らなければ、俺は間違いなく犯罪者か病人になっていただろう……。
小説が俺をギリギリの所から引き上げてくれた……。
だけど、俺の小説は悲しみと怒りをぶつけた集大成だった……。
絶望と欲望が混じり合った暗黒文学の底辺のような作品ばかりだった。
とても、人に読ませられるような代物じゃない……。
俺の中の歪んだ性癖……。
異常な世界……。
とても女が読むような物語じゃない……。
チュンに別れを告げた夜、その悲しみに耐えられず、シオリに泣きながらメールを送ってしまった……。
シオリは俺を優しく励ましてくれて、俺の小説を読ませて欲しいと言ってくれた。
俺はその言葉が何よりも嬉しかった。
だが、この時俺は実際にシオリに自分が書いた小説を読ませようとは思っていなかった……。
メールではそう言ってくれても、実際に俺の小説を見たら引いてしまうだろう……と俺は思っていた。
後日、仕事先でシオリと話している時、俺の小説の話になった……。
「俺の小説?ホントに読む?読んだら引いちゃうよ……。だって、レイプとか暴力とかそんなんばっか出てくるよ……」
「大丈夫だよ……アタシもレイプされた事あるし……」
「……!!?」
シオリの衝撃の告白を聞いた時、初め俺はそれが本当の話とは思わなかった……。
それはシオリの切ない恋愛体験のほんの始まりに過ぎなかった……。
【続く】
女を愛しても、女は愛してくれない……。
俺が愛しても、相手が愛してくれなきゃ意味が無い……。
人を好きになっても、生まれるのは悲しみだけ……怒りだけ……絶望だけ……。
虚しさだけが蓄積されていく……。
心の闇だけが広がっていく……。
悲しみに押し潰されないように、耐えるだけの日々が永遠に続くだけ……。
そんなのはもう嫌だ……。
人は一人では生きていけない。
何かに無性に縋りたいと思う時がある。
唯一の救いは、俺が小説と出会っていた事だ。
小説と出会っていなければ俺はとても生きてはいけなかっただろう……。
このろくでもない世界で、書く事を知らなければ、俺は間違いなく犯罪者か病人になっていただろう……。
小説が俺をギリギリの所から引き上げてくれた……。
だけど、俺の小説は悲しみと怒りをぶつけた集大成だった……。
絶望と欲望が混じり合った暗黒文学の底辺のような作品ばかりだった。
とても、人に読ませられるような代物じゃない……。
俺の中の歪んだ性癖……。
異常な世界……。
とても女が読むような物語じゃない……。
チュンに別れを告げた夜、その悲しみに耐えられず、シオリに泣きながらメールを送ってしまった……。
シオリは俺を優しく励ましてくれて、俺の小説を読ませて欲しいと言ってくれた。
俺はその言葉が何よりも嬉しかった。
だが、この時俺は実際にシオリに自分が書いた小説を読ませようとは思っていなかった……。
メールではそう言ってくれても、実際に俺の小説を見たら引いてしまうだろう……と俺は思っていた。
後日、仕事先でシオリと話している時、俺の小説の話になった……。
「俺の小説?ホントに読む?読んだら引いちゃうよ……。だって、レイプとか暴力とかそんなんばっか出てくるよ……」
「大丈夫だよ……アタシもレイプされた事あるし……」
「……!!?」
シオリの衝撃の告白を聞いた時、初め俺はそれが本当の話とは思わなかった……。
それはシオリの切ない恋愛体験のほんの始まりに過ぎなかった……。
【続く】