キスのその後に
…マズイことになった。
蓮は少し体を離した。
世の中には年の差カップルなど腐るほどいる。
しかし、28歳の自分と17歳の女子高生の組み合わせは犯罪レベルだ。しかも教師と生徒。
昔からこのような関係は禁断とされているだろう?
もし篠田とそういう関係になってしまったら…。
そしてそれが公になってしまったら…。
人生が終わる。
蓮は篠田の手を優しく振り払った。
「篠田、もう…。」
もう帰りなさい、と言おうとしたその時、ふいに篠田が眼鏡を外した。
背伸びをして、蓮に顔を近づけてくる。
透き通るような肌。
大きな目。
黒目の色は、まるで吸い込まれてしまいそうなほどの漆黒。
蓮は全身の毛が逆立っていくのを感じた。
「キス、してもいいよ。」
そう言って篠田は目を閉じた。
長いまつ毛。
蓮は引き寄せられるように、篠田の唇にキスをした。
桃のような甘い香りに包まれる。
理性がどこか遠くへ行ってしまう。
しばらくして唇を離すと、篠田はゆっくり目を開けた。
そしてにこりと微笑む。
「先生…、先生とまたこういうことしたい。」
上目遣いで蓮を見る。
篠田は何かを期待しているに違いない。
しかし蓮は、何も言えなかった。
取り返しのつかないことをしてしまった後悔と、とてつもない高揚感に襲われて訳がわからない。
明らかに動揺している蓮の気持ちを察したのか、篠田は体を離して眼鏡をかけた。
「帰りますね。」
そう言って、蓮に背中を向けた。
何か言わなければ。
何か…。
「明日の放課後、またここで。」
とっさに出た言葉だった。
篠田は一瞬立ち止まったが、振り返らずに理科室を出ていった。
…俺、今なんて…?
自分が発した言葉の意味を理解して、蓮は天井を仰いだ。
とんでもないことをしてしまった。
教師として…人として、絶対にしてはいけなかったこと。
わかっているのに、それでも収まらないこの胸の高鳴りは何なんだろう。
絶望と興奮が入り混じったような感情。
あぁ、始まってしまった。
「…俺、終わってんな。」
蓮は呟いた。
蓮は少し体を離した。
世の中には年の差カップルなど腐るほどいる。
しかし、28歳の自分と17歳の女子高生の組み合わせは犯罪レベルだ。しかも教師と生徒。
昔からこのような関係は禁断とされているだろう?
もし篠田とそういう関係になってしまったら…。
そしてそれが公になってしまったら…。
人生が終わる。
蓮は篠田の手を優しく振り払った。
「篠田、もう…。」
もう帰りなさい、と言おうとしたその時、ふいに篠田が眼鏡を外した。
背伸びをして、蓮に顔を近づけてくる。
透き通るような肌。
大きな目。
黒目の色は、まるで吸い込まれてしまいそうなほどの漆黒。
蓮は全身の毛が逆立っていくのを感じた。
「キス、してもいいよ。」
そう言って篠田は目を閉じた。
長いまつ毛。
蓮は引き寄せられるように、篠田の唇にキスをした。
桃のような甘い香りに包まれる。
理性がどこか遠くへ行ってしまう。
しばらくして唇を離すと、篠田はゆっくり目を開けた。
そしてにこりと微笑む。
「先生…、先生とまたこういうことしたい。」
上目遣いで蓮を見る。
篠田は何かを期待しているに違いない。
しかし蓮は、何も言えなかった。
取り返しのつかないことをしてしまった後悔と、とてつもない高揚感に襲われて訳がわからない。
明らかに動揺している蓮の気持ちを察したのか、篠田は体を離して眼鏡をかけた。
「帰りますね。」
そう言って、蓮に背中を向けた。
何か言わなければ。
何か…。
「明日の放課後、またここで。」
とっさに出た言葉だった。
篠田は一瞬立ち止まったが、振り返らずに理科室を出ていった。
…俺、今なんて…?
自分が発した言葉の意味を理解して、蓮は天井を仰いだ。
とんでもないことをしてしまった。
教師として…人として、絶対にしてはいけなかったこと。
わかっているのに、それでも収まらないこの胸の高鳴りは何なんだろう。
絶望と興奮が入り混じったような感情。
あぁ、始まってしまった。
「…俺、終わってんな。」
蓮は呟いた。