キスのその後に
諒太は部屋をぐるりと見回した。
この部屋に来るのは初めてではないが、いつもは藤間の目があるので周りを見る余裕などない。
…あれ?
本棚に見覚えのある雑誌を見つけた。近づいて手に取ると、やはり自分が持っている雑誌と同じものだった。
タイトルは『宇宙』。
日本の宇宙研究機関が定期的に発行している雑誌で、かなりマニアックなものだ。自分以外には、こんな雑誌を読んでいる人間などいないと思っていた。
数年分の『宇宙』が、棚にズラリと並んでいる。
まさか藤間と趣味が同じだなんて。
湧き上がってくる喜びで、雑誌を持つ手が震えた。
その時後ろで、ガタンっと大きな音がした。
諒太は固まった。一気に冷や汗が吹き出てくる。
勝手に藤間の私物に触ってしまった。きっと怒られる。どうしよう…。
「藤間くん、ごめん…。」
意を決して諒太は振り向いた。
しかし藤間はさっきと同じ体勢で目を閉じたままだ。見ると、ベッドの下にスマホが落ちている。
諒太は安堵のため息をついた。
雑誌を元の場所に戻し、静かにベッドに近寄る。落ちていたスマホを藤間の頭の横に置いた。
藤間の寝顔をまじまじと見る。
この部屋に来るのは初めてではないが、いつもは藤間の目があるので周りを見る余裕などない。
…あれ?
本棚に見覚えのある雑誌を見つけた。近づいて手に取ると、やはり自分が持っている雑誌と同じものだった。
タイトルは『宇宙』。
日本の宇宙研究機関が定期的に発行している雑誌で、かなりマニアックなものだ。自分以外には、こんな雑誌を読んでいる人間などいないと思っていた。
数年分の『宇宙』が、棚にズラリと並んでいる。
まさか藤間と趣味が同じだなんて。
湧き上がってくる喜びで、雑誌を持つ手が震えた。
その時後ろで、ガタンっと大きな音がした。
諒太は固まった。一気に冷や汗が吹き出てくる。
勝手に藤間の私物に触ってしまった。きっと怒られる。どうしよう…。
「藤間くん、ごめん…。」
意を決して諒太は振り向いた。
しかし藤間はさっきと同じ体勢で目を閉じたままだ。見ると、ベッドの下にスマホが落ちている。
諒太は安堵のため息をついた。
雑誌を元の場所に戻し、静かにベッドに近寄る。落ちていたスマホを藤間の頭の横に置いた。
藤間の寝顔をまじまじと見る。