スパダリ御曹司に年下看板娘は、溺愛で包囲されました。



 その人はそれから二週間ほどでやってきた。


「こんにちわ、可愛いお嬢さん」


 私が外の掃き掃除と窓拭きをしていたら話しかけられたのだけど、まだ開店前だ。


「……っえ、あっいらっしゃいませ!」

「開店前だったかな……? すまない。ここに来るのが楽しみで早く来てしまった」

「え、楽しみですか?」

「あぁ。とても楽しみでね」


 照れたように話す彼は年上なのに可愛らしくてキュンとする。そんなことを思っていると「お嬢さん?」と顔を覗き込まれる。そこで黙り込んでいたと気づいた。

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