スパダリ御曹司に年下看板娘は、溺愛で包囲されました。
「――どうされたのですか?」
茶の間に上がってもらってお茶を出すと「ありがとう」と言って御縁さんは一口飲む。
「私の会社でね、半年後に初のカフェを開くんだ。そこはお茶を主に出す予定なんだ。そこで出す予定のお茶、茶葉を探していてね。そこで見つけたのがここだった」
「え?」
「理想的な味で、とても美味かった。あのお饅頭もお茶と相性が良くて……これだと思ったんだよ。だからこちらのお茶を使いたいと思い会社に提案し企画書の提出と了承印をもらっていたらこんなにも遅くなってしまった」
そうだったんだ。そうやって言ってもらえるだけでとても嬉しい。
だけど、もうここは閉めるのが決まっているしこれ以上は続けられない。もし、この話が進んでうまくいくかはわからない。
「お話は嬉しいです。でも、お店は閉めることが決まったんです。申し訳ありませんが……」
「そうですか……もう一つ提案なんですが、聞いてもらえますか?」
「提案ですか?」
私がそう問いかければ、御縁さんはカバンを一瞬覗きなぜだか深呼吸をして口を開いた。
「俺、初めて純鈴さんにお会いした時に一目惚れをしました」
「……へ?」
「これはビジネスとは関係ないことをわかって欲しいんだけど。俺は、純鈴さんのことが好きです。仕事に真摯に取り組む姿勢とか、笑顔で出迎えてくれて本当に癒されたんだ。だから、結婚するなら君がいいと思ったんだ」
け、け、結婚!?