スパダリ御曹司に年下看板娘は、溺愛で包囲されました。
◇結婚式は規格外
麗かな小春日和が続いている今日この頃。
ウェディングドレスを着ている私は、メイクもヘアセットも終わった状態で鏡の前に座っていた。
「純鈴ちゃん、綺麗だねぇ」
「ありがとう。おばあちゃん」
私はそう言ってくれたおばあちゃんにお礼を言えば、おじいちゃんは「美菜子さんと賢治も喜ぶなぁ」と泣きながら言った。
おじいちゃんのいう美菜子さんは私の母の名前で賢治は私の父でありおじいちゃんたちの息子の名前だ。
「きっと、空の上から見守ってくれてるよ。じいちゃんがバージンロード歩くなんて言ったらヤキモチ妬かれそうだがな! あっはっは」
「そうですねぇ……ふふっ、賢治は美菜子さんと純鈴ちゃんのこと溺愛してましたしね」
彼らがそんなふうに両親の話をしているのは久しぶりだ。今までは私に気を遣ってか話なんてしてくれなかったから。
三人で談笑しているとスタッフの人に「新郎様がいらっしゃいました。お通ししてもよろしいですか?」と聞かれて了承すると白のタキシードを着た眩しいくらいかっこいい興祐さんがいた。