スパダリ御曹司に年下看板娘は、溺愛で包囲されました。
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席に座ると順番に料理がやってくる。まずはアミューズから始まり、冷菜であるオマール海老と鮑の冷製フラン、温菜の鴨ローストにオレンジとホワイトバルサミコソース添え、冷たいパスタや魚料理の真鯛とフォアグラのポワレ、お口直しのグラニテ、お肉料理は黒毛和牛ランプ肉とイチボのロティが運ばれた。
どれも美味しくて、お肉は柔らかくて蕩けるようだった。
「興祐さん、今日はありがとうございました。この料理も美味しくて……幸せです」
「喜んでもらえて良かったよ。だけどまだ大事なデザートがあるんだ」
最後に運ばれてきたのは興祐さんが言っていたデザートだ。白いお皿には小さな四角のケーキが色鮮やかに乗っている。
「これ……」
「俺からの、感謝の気持ちだ」
白いお皿の下の方に【出会ってくれて、結婚してくれてありがとう】とチョコペンで書かれていてそれだけで私は涙腺が緩む。
「そんな、お礼を言うのは私の方で……っ」
こんな普通の私と結婚してくれて、本当に感謝しているんだから。
「喜んでもらえたかな?」
「はいっ! とても!」
「良かった。じゃあ、食べようか」
もう一度手を合わせて食べると甘いのが口いっぱいに広がった。それはとても美味しくて幸せできっと私はこの日のことを一生忘れられないんだろうなって思った。