ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
「ん、気持ち、いい……」
素直に頷くと、気をよくしたのか彼は目を細め、微笑みながら再び頬を傾けた。
ちゅっ、くちゅ……
「ン、ぁ……っ……」
彼のキスは、甘すぎて激しすぎて。
ドロドロに身体が溶けてしまいそう。
狂っていく。
溺れていく。
こんなキスが欲しかった。
彼と、してみたかった。
意外と重たい体にのしかかられて、それが嬉しい。
さもなきゃ、嬉しすぎて舞い上がって、どっかに身体が飛んでいきそうだから。
まだ信じられない。
ずっと片想いしていた彼と、冴えない自分が、同じベッドの上でこんなことしてるなんて。まるで夢のよう。
でも、夢じゃない。
絡み合う舌の熱さと、聴覚を犯すイヤラシイ水音と、視界一杯に映る秀麗な顔と。
すべてがこれは現実だと教えてくれて。
震えるほどの歓喜が身体の奥から突き上げてくる。
思わず涙ぐみそうになって、慌てて横を向いた。
さりげなく瞬いて涙を散らす。
泣いて喜ぶなんて、そんな初心者女は彼の好みじゃない。