ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
どくんどくんどくん……
細めた瞳に探るようにジッと見下ろされ、視線を逸らすこともできず、冷や汗が滲む。
え、っと……これは、この状況は、どういうこと?
副社長に、見られてる?
どくんどくんどくん……
まさか、バレた?
あの時の女が私だって……?
ぃいいいやいやいや、ないない。
外見はまるきり違うはずだもの。
普段の私は、秘書室の端っこでぽちぽちパソコン打ってるだけの、存在感ゼロのモブアシスタントだし。名前だって、覚えててくれたんだって今感動してるくらいなんだから。
絶対わかるはずない。
だからきっと、何か用事を頼まれるとか、そんなことにきまってる。
資料の整理頼むよ、とか。
来客用のお菓子買ってきて、とかとか。
お願い、そうだと言って!