涙―RUI―
唇が軽く触れただけの、
優しいキス。

瞬きすれば見逃してしまうような、
短いキス。







でも、私はすごく幸せだった。
きっと、一生忘れない。


嬉しくて涙が止まらなかった。



今までより、あなたに近づけた瞬間…





そのあと、私の手をひいて歩き出したヨウの横顔が、赤くなっているように見えた。
夕陽でそう見えただけかもしれない。








…でも、私は、そんなヨウを見て、
嬉しくて、
愛しくて、
恥ずかしかった。




初めて手を繋いだときより、ドキドキしたよ。


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