涙―RUI―
第五章 覚めない夢-SAMENAI YUME-
現実逃避。
その日、家に帰ると、何も言わず部屋に閉じこもった。
親もヨウのお母さんから連絡があったのか、何も聞いてこなかった。
部屋に入ってから、私は泣かなかった。
泣く必要がないと思ったから。
『ヨウは生きてる』
そう思えて、仕方なかった。
震える手で、ボタンを押す。
受話器の向こうで、呼び出し音がなる。
音が途切れる。
「もしもし、ヨウ…??」
『お客さまのおかけになった電話番号は現在使われておりません。もう一度…』
何で??
親もヨウのお母さんから連絡があったのか、何も聞いてこなかった。
部屋に入ってから、私は泣かなかった。
泣く必要がないと思ったから。
『ヨウは生きてる』
そう思えて、仕方なかった。
震える手で、ボタンを押す。
受話器の向こうで、呼び出し音がなる。
音が途切れる。
「もしもし、ヨウ…??」
『お客さまのおかけになった電話番号は現在使われておりません。もう一度…』
何で??