『セーラー服を脱いだら、キミは…』スカートが捲れた、その時ボクは… 番外編
私の肩で寝てる武頼を見て
朝のことを思い出した


お腹もいっぱいだけど
胸もいっぱい


旅行、楽しかったな


「んー…アレ…みんな、は?

ボク…寝てた?」


武頼、起きた


「レンレンが飲み物買ってくれるって
なんか景色がいいらしいよ
私達も行く?」


「ん…行こうか…
でも、もう少し、こーしてたい」


武頼がまた私の肩に身体を委ねた


武頼、まだ眠いのかな?

それとも甘えてる?


かわいくてサイコー♡


「武頼、昨日ぜんぜん寝てないの?」


「ん…ぜんぜんではないけど…」


やっぱり寝てないんだ


「もしかして、私のいびき?」


そんなうるさかった?


「あー、理央いびきかいてた
別にそれで寝れなかったわけじゃないけどね
いびきって、自分でも聞こえるの?」


恥ずかしすぎる

昨日の私を殴りたい


「聞こえないよ
さっき先輩に言われた」


「先輩も聞いたんだ
ヤダな…
ボクだけの特権だと思ったのに…」


特権て…

1番聞かれたくない人に聞かれたのに


「カレシと寝て
いびきかくとかサイテーだよね」


「ボクは好きだけどね」


熱くなる


いつもなら負けじと
私のほうが大好き!って言ってるのに


「…」


嬉しすぎて言葉にならない


「ん?理央?

なんか言ってよ
理央はボクのこと、好き?」


「好き…好きとかじゃないから!
武頼のことは、好きとかじゃなくて…」


私の肩から顔を上げた武頼は
不安そうな顔をした


「あ、今は、好きじゃなくてね…

今は武頼のこと
好きじゃなくて…

愛おしい

どんどん自分の気持ちを超えていくの

なんて言ったらいいかわからないけど
どこまで武頼を好きになるのかな?って…

だから
好きを超えて、愛してます」


「…」


アレ…?

今度は武頼が黙った


ひいたかな?

ちょっと重かった?


武頼が私の胸に顔を伏せた


え…

た、武頼…


心臓が飛び出しそうなのに
押さえられてるカンジ


コレはどーいう…


「武頼…?」


「理央の浴衣姿も
理央のいびきも
ひとりじめしたいとか…
誰にも見せたくないとか…
小さくてくだらないかもしれないけど

自分に自信がないから
カレシの特権が欲しくて
理央の特別になりたくて
理央が好きって言ってくれないと不安で
いつも理央の隣にいる

じゃないと
誰かに取られそうで
1番近くにいなきゃって…

愛してますって…嬉しかった

そんな言葉
誰からももらったことないし…」


愛してます


誰?

そんな照れくさいとこ言うの


私が言ったけど

確かに言ったけど


「私だって
誰にも言ったことないよ!

武頼にしか…
武頼にしか、あげないから!」
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