雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
仙台は東北地方一の大都会というイメージがあったけど、広がる景色は山、山、山……。
雨宮課長が運転する5人乗りのコンパクトカーから見える景色は山ばかり。
仙台市街を離れるとこんなに自然豊かなのかと思う。
それにしても運転に慣れた感じでハンドルを握る課長、素敵。
進行方向に視線を向ける鼻筋の通った横顔が麗しい。なんて尊い姿を私は今、見ているのだろう。助手席がこんなに特等席だとは知らなかった。人気アーティストのコンサートを最前列で見る以上に興奮する。追い詰められる事ばかり続いたけど、雨宮課長と仙台に来られて良かった。
「山奥でびっくりした?」
静かな声で課長が口にした。
「いえ。あの。自然がとても豊かでほっとします」
「そうだね。これだけの自然を普段は見ないからね。本当に懐かしいな。ここに来たのは15年、いや、10年ぶりか」
課長が独り言のように呟く。
「課長、こちらにはよくお越しに?」
課長の口ぶりから頻繁に来ていたような気がした。
「『フラワームーンの願い』は今から行く映画館で撮影したんだ」
知らなかった。
課長、撮影の時から関わりがあったのかな。
「映画館が出てくるお話なんですか?」
「うん」
雨宮課長が運転する5人乗りのコンパクトカーから見える景色は山ばかり。
仙台市街を離れるとこんなに自然豊かなのかと思う。
それにしても運転に慣れた感じでハンドルを握る課長、素敵。
進行方向に視線を向ける鼻筋の通った横顔が麗しい。なんて尊い姿を私は今、見ているのだろう。助手席がこんなに特等席だとは知らなかった。人気アーティストのコンサートを最前列で見る以上に興奮する。追い詰められる事ばかり続いたけど、雨宮課長と仙台に来られて良かった。
「山奥でびっくりした?」
静かな声で課長が口にした。
「いえ。あの。自然がとても豊かでほっとします」
「そうだね。これだけの自然を普段は見ないからね。本当に懐かしいな。ここに来たのは15年、いや、10年ぶりか」
課長が独り言のように呟く。
「課長、こちらにはよくお越しに?」
課長の口ぶりから頻繁に来ていたような気がした。
「『フラワームーンの願い』は今から行く映画館で撮影したんだ」
知らなかった。
課長、撮影の時から関わりがあったのかな。
「映画館が出てくるお話なんですか?」
「うん」