雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
でも、私一人が残ればいい話。

これ以上雨宮課長を付き合わせるのは申し訳ない。だから雨宮課長には東京に帰って頂いて、私だけが一泊して、明日、映画のフィルムを受け取ればいい。

そう提案しようとしたら、雨宮課長が先に口を開いた。

「そうですか。じゃあ、お言葉に甘えて一泊させて頂きます。中島さん、いいよね?」

確認するように課長がこっちに顔を向ける。

雨宮課長も泊まってくれるの?

すごく嬉しい。

でも、でも、甘えていいの?

「中島さん、余計な心配している? それとも俺と一緒はイヤ?」

黙ったままでいると課長に言われた。

「い、いえ。とんでもないです!」

むしろ、超ラッキー。
という言葉を辛うじて喉の奥に留める。

「じゃあ、決まりだね」
「は、はい」

今朝、新幹線で夢見た事が現実になるなんて嬉し過ぎる!
もうこの場で飛び跳ねたいぐらい。

「ふふ。楽しんでいってね」

緩んだ表情を浮かべる私に向かって、藤原さんが微笑んだ。

お泊りチャンスをくれた藤原さんが女神様に見えた。
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