雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
レストハウスから遊歩道のゲートを通って渓谷へと下っていくと上にいた時よりもさらに濃厚な森の香りに包まれる。川の流れる水音や鳥の鳴き声もよく聴こえて、まさに大自然って感じ! 

日比谷公園を歩いていても、ここまでの大自然はさすがに感じられない。

テンション上がる! 来て良かった。

はしゃぎながら歩いていると、雨宮課長に転ばないようにって注意される。

「大丈夫です」って、言ったそばからズリって前かがみに滑った。
隣の雨宮課長が、支えてくれたので転ばずに済んだ。

「中島さん……」と、雨宮課長が何か言いたげに見てくる。

「すみません。返す言葉もございません。以後、気をつけます」

大げさに謝ると、雨宮課長が可笑しそうに笑う。

今日の雨宮課長はよく笑っている気がする。

課長の笑顔をたくさん見られて、なんか幸せ。
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