雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】

夕食は7時から旅館内のレストランでとなっていたので、それまで各自部屋で休む事にした。

部屋の前で雨宮課長と別れた。

課長の部屋は左隣で、室内に入ると壁が厚いのか隣の気配はよくわからない。盛大な鼾をかいたとしてもきっと聞こえない。良かった。

客室は青々とした畳が敷かれた8畳間と6畳間の二間あった。それにユニットバスもついている。

一人で過ごすには広すぎる。まさかこんなにいい部屋を用意して頂けると思わなかった。

8畳の方に座卓があり、座卓の上にはお茶のセットがあった。とりあえず緑茶を飲んでくつろぐ。

寂しいので、テレビもつけた。
東京では見られないローカル番組がやっている。

5分もしない内に飽きてくる。

なんか暇。

せっかくだから温泉いこうかな。

そう思っていたら、部屋のドアが叩かれた。

「はい」とドアを開けると、浴衣姿の雨宮課長が立っている。

スーツ以外の雨宮課長、初めて……。

やば、鼻血が出そうなぐらい素敵。