雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「映画のフィルムって『フラワームーンの願い』ですか? 今の男が持っていったんですか?」
私の問いかけに藤原さんが頷いた。
成瀬君を追いかけなきゃ。
「中島さん、行こう」
雨宮課長がそう言った時、苦しそうに藤原さんが胸を押さえ、床に崩れる。
「藤原さん! しっかり!」
雨宮課長が藤原さんの身体を支える。
「救急車、呼ばないと」
スマホを取り出そうとしたら、「中島さんは映画のフィルムを追いかけなさい」と、課長に言われた。
「でも」
「中島さん、車の運転は?」
「できます」
コンパクトカーの電子キーを課長がこっちに投げ、それを受け取る。
「彼はきっと仙台駅から新幹線に乗るから。今ならまだ間に合う」
「だけど、藤原さんが」
「藤原さんは俺が救急車呼ぶから」
救急車を呼ぶよりも、車で運んだ方がきっと早い。
「雨宮課長、フィルムよりも藤原さんです。車で運びましょう」
「しかし」
「人命優先です!!」
私の叫び声に眼鏡の奥の瞳が見開かれた。
私の問いかけに藤原さんが頷いた。
成瀬君を追いかけなきゃ。
「中島さん、行こう」
雨宮課長がそう言った時、苦しそうに藤原さんが胸を押さえ、床に崩れる。
「藤原さん! しっかり!」
雨宮課長が藤原さんの身体を支える。
「救急車、呼ばないと」
スマホを取り出そうとしたら、「中島さんは映画のフィルムを追いかけなさい」と、課長に言われた。
「でも」
「中島さん、車の運転は?」
「できます」
コンパクトカーの電子キーを課長がこっちに投げ、それを受け取る。
「彼はきっと仙台駅から新幹線に乗るから。今ならまだ間に合う」
「だけど、藤原さんが」
「藤原さんは俺が救急車呼ぶから」
救急車を呼ぶよりも、車で運んだ方がきっと早い。
「雨宮課長、フィルムよりも藤原さんです。車で運びましょう」
「しかし」
「人命優先です!!」
私の叫び声に眼鏡の奥の瞳が見開かれた。