雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
渋谷の芸能事務所は久保田の言った通りお休みだった。でも、成瀬君が中にいる気がする。
映画のフィルムを持ち帰って、最初に行く所は普通に考えれば会社ではないだろうか?
ひょっとしたら佐伯リカコが会社で待っているかも。
「久保田、マネージャーの森さんの直通電話か、佐伯リカコの電話番号知らないの?」
宣伝部だったら『今日子』のプロモーションで出演者と関わっているはずだ。
「僕、佐伯リカコの担当じゃないんで」
「じゃあ、誰が担当?」
「西山さんだったかな?」
「西山さんから番号聞いてないの?」
久保田がハッとしたような顔をする。
「今、西山さんに聞いてみます」
もうっ、久保田。なんで事前に聞いておかないの!
私が佐伯リカコの名前を出した時点で必要になるかもしれないとは思わなかったわけ?
という言葉を飲み込んだ。
今は久保田を叱っている場合じゃない。
フーと、深呼吸をして気を落ち着かせる。
「西山さんからマネージャーの森さんの番号ゲットしました」
「すぐかけて」
「はい」
久保田がスマホを右耳に当てる。
そのタイミングで私のスマホが振動した。
一瞬久保田が間違えて私にかけて来たのかと思ったけど、電話して来たのは望月先生だった。
映画のフィルムを持ち帰って、最初に行く所は普通に考えれば会社ではないだろうか?
ひょっとしたら佐伯リカコが会社で待っているかも。
「久保田、マネージャーの森さんの直通電話か、佐伯リカコの電話番号知らないの?」
宣伝部だったら『今日子』のプロモーションで出演者と関わっているはずだ。
「僕、佐伯リカコの担当じゃないんで」
「じゃあ、誰が担当?」
「西山さんだったかな?」
「西山さんから番号聞いてないの?」
久保田がハッとしたような顔をする。
「今、西山さんに聞いてみます」
もうっ、久保田。なんで事前に聞いておかないの!
私が佐伯リカコの名前を出した時点で必要になるかもしれないとは思わなかったわけ?
という言葉を飲み込んだ。
今は久保田を叱っている場合じゃない。
フーと、深呼吸をして気を落ち着かせる。
「西山さんからマネージャーの森さんの番号ゲットしました」
「すぐかけて」
「はい」
久保田がスマホを右耳に当てる。
そのタイミングで私のスマホが振動した。
一瞬久保田が間違えて私にかけて来たのかと思ったけど、電話して来たのは望月先生だった。