雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
一時間、無心で掃除した。

リビングの床の上のペットボトルも、テーブルの上の雑誌も片付け、寝室の衣服もクローゼットに戻し、ベッドは新しいシーツに取り換えて、洗濯物は洗濯機に突っ込んだ。一袋分のごみはとりあえずベランダへ。

掃除機もかけた。仕上げに使い捨てモップで床も拭いた。玄関もちゃんと箒で掃いた。台所のシンクも磨いた。

今できる完璧な掃除が出来た。

よし、とりあえずこれでOK。

雨宮課長を駅まで迎えに行かないと。

その前に着がえなきゃ。汗だくだ。シャワーを浴びたいけど、時間がない。

何を着よう?

ワンピースはなんか急にやり過ぎな気がするし。

ジーパンにパーカーはなんかカジュアル過ぎるし。

じゃあ、スーツ?

仕事じゃないんだから構えすぎ。

あー、服が決まらない。ベッドがまた服の山になっている。
せっかく片付けたのに。

もうジーパンとカットソーと、お洒落に見えるロングカーディガンを羽織ればいいや。

ピンポーン。

インターホンが鳴った。

嘘、もう雨宮課長来たの!
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