雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
玄関ドアを開けると、仙台で見たままのスーツ姿の雨宮課長がいた。
病院で課長と別れてから半日も経っていないのに、長い間会っていなかったような気がする。

雨宮課長の顔を見たら、張り詰めていた気持ちが緩んで課長が何かを言う前にその胸に飛び込んだ。

「雨宮課長に会いたかった。会いたかったです」

課長が抱きしめてくれる。

「俺も中島さんに会いたかった」

課長の奇跡のような言葉を聞いて、私たちの関係は上司と部下から変わったんだと確信する。

「雨宮課長が好き」
「中島さん……」

雨宮課長が強く抱きしめてくれる。

「俺も中島さんが好き」

初めて課長の気持ちがわかる言葉をもらった。
嬉し過ぎて涙が溢れてくる。

まさかこんな日が来るなんて思わなかった。

嬉しいよ。

嬉し過ぎる。

雨宮課長、大好き。
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