雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
課長はホットミルクを作ってくれた。

「温まるよ。体を冷やさないように気をつけて。腰とか痛くない? 痛かったらさすろうか?」

いろいろと心配してくれる課長は嬉しいけど、佐伯リカコとの結婚生活が見えてしまった。

佐伯リカコはきっと生理が重い方だったんだ。だから、課長はこんなに気遣ってくれるんだ。

「奈々ちゃん、痛いの? 大丈夫?」

心配する声に胸が痛くなる。
嫌だな。こんな事で嫉妬だなんて。

「大丈夫です。そんなに大げさにしないで。佐伯リカコさんは生理が重かったんですか?」

「えっ」

課長の動きが止まる。

「いや。どうだったかな。覚えてない。ただ俺の母親は生理が重たい方で、いつも生理の度に寝込んでいたんだ。それで心配になって」

ああ、お母さん……。

「母子家庭だったからさ。母親が具合が悪い時は俺が家事代わってあげないといけなくてさ」

それで課長は家事が上手なんだ。

「俺、うざかった? ごめん」
「いえ。ただ前の奥さんに嫉妬しただけです」
「奈々ちゃん」

ギュッて課長が抱きしめてくれる。

「バカだな。俺がこんなに大好きなのは奈々ちゃんなのに。奈々ちゃんが大切だから心配するんだよ」

課長の言葉が甘すぎて泣きそうになる。

課長が大好き。
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