雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
課長が作ってくれたミートソースは世界一美味しかった。
美味しいを連発しながら食べていると、奈々ちゃんは本当に作り甲斐があるねって、言ってくれた。
夕食の後は課長と後片付けをして、それからソファに並んで座ってデザートのプリンを食べていると、課長が不意に「会社ではありがとう」と切り出した。
一瞬何の事だろうと思う。
首を傾げて考えていると、課長がクスッと笑う。
「社食での事」
ようやくピンときた。
「俺を守ってくれたんだろ?」
「……はい」
「助かった。おかげで社内の空気が変わったよ」
「良かったです」
「でも……」
眼鏡越しの瞳が心配そうに揺れる。
「あんな事をして奈々ちゃん、大丈夫だった? 誰かに何か言われなかった?」
私の手を優しく握りながら訊いてくれる。
心配してくれたんだと思ったら、胸が詰まって、喉の奥に熱い塊がこみあげてくる。
「大丈夫です。上司に噛み付くなんて私にとって当たり前の事ですから。中島奈々子は無敵なんです」
おどけて笑って見せると、課長が「俺の恋人は逞しいな」と頭を撫でてくれた。
俺の恋人……。
さり気なく言われた言葉に胸が高鳴る。
嬉しい!
嬉しくて堪らない!
課長がハッキリと恋人宣言してくれて、不安だった気持ちが吹き飛んだ。
嬉しさを噛みしめていると、課長に「ほっぺが落ちそうなぐらい緩んでるけど」って優しく頬を摘まれる。
えへっ、だって幸せなんだもの。
美味しいを連発しながら食べていると、奈々ちゃんは本当に作り甲斐があるねって、言ってくれた。
夕食の後は課長と後片付けをして、それからソファに並んで座ってデザートのプリンを食べていると、課長が不意に「会社ではありがとう」と切り出した。
一瞬何の事だろうと思う。
首を傾げて考えていると、課長がクスッと笑う。
「社食での事」
ようやくピンときた。
「俺を守ってくれたんだろ?」
「……はい」
「助かった。おかげで社内の空気が変わったよ」
「良かったです」
「でも……」
眼鏡越しの瞳が心配そうに揺れる。
「あんな事をして奈々ちゃん、大丈夫だった? 誰かに何か言われなかった?」
私の手を優しく握りながら訊いてくれる。
心配してくれたんだと思ったら、胸が詰まって、喉の奥に熱い塊がこみあげてくる。
「大丈夫です。上司に噛み付くなんて私にとって当たり前の事ですから。中島奈々子は無敵なんです」
おどけて笑って見せると、課長が「俺の恋人は逞しいな」と頭を撫でてくれた。
俺の恋人……。
さり気なく言われた言葉に胸が高鳴る。
嬉しい!
嬉しくて堪らない!
課長がハッキリと恋人宣言してくれて、不安だった気持ちが吹き飛んだ。
嬉しさを噛みしめていると、課長に「ほっぺが落ちそうなぐらい緩んでるけど」って優しく頬を摘まれる。
えへっ、だって幸せなんだもの。