雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
お座敷に戻ると、今日子さんに顔色がよくないと心配してもらったけど、心配かけたくなかったら、少し酔っただけだと誤魔化した。
贅沢づくしのふぐのコース料理も終わり、阿久津が締めの挨拶をして解散となった。
拓海さんと佐伯リカコは最後まで戻って来なかった。
あの後、拓海さんは佐伯リカコを送っていったのかもしれない。
ため息をつくと、望月先生に元気出せよと言われた。
それから真剣な顔で忠告された。
「佐伯リカコから雨宮拓海を奪うのは骨が折れるぞ」
世間的には私が佐伯リカコから奪う方になるんだ。
なんか落ち込む。
「もう、かおるさん。中島さんに意地悪を言うのはやめて」
隣で聞いていた今日子さんが言った。
「今日子、怒るな。親切心で言ってやっているんだ。佐伯リカコは相当、雨宮拓海に想いがあるぞ」
「望月先生、どういう意味ですか?」
「『フラワームーンの願い』の中の佐伯リカコと、今夜、隣で雨宮拓海を見つめていた表情が同じに見えた。きっと映画の中の佐伯リカコは雨宮拓海を見ていたんだろう。そしてそれは今も変わっていない。あれは好きな男を見る表情だ」
そんな……。
佐伯リカコは妻子持ちの男が好きだったんじゃないの?
もしかして、拓海さんに恋人のふりを頼んだのは、本当は拓海さんと恋人になる為の作戦?
『拓海はもう私の事、好きじゃないの?』
さっき聞いた言葉が過る。
あの言葉からは拓海さんへの好意が感じられた。
考えたくないけど、佐伯リカコは拓海さんが好きなんだ。
だとしたら、私はどうすればいいの?
贅沢づくしのふぐのコース料理も終わり、阿久津が締めの挨拶をして解散となった。
拓海さんと佐伯リカコは最後まで戻って来なかった。
あの後、拓海さんは佐伯リカコを送っていったのかもしれない。
ため息をつくと、望月先生に元気出せよと言われた。
それから真剣な顔で忠告された。
「佐伯リカコから雨宮拓海を奪うのは骨が折れるぞ」
世間的には私が佐伯リカコから奪う方になるんだ。
なんか落ち込む。
「もう、かおるさん。中島さんに意地悪を言うのはやめて」
隣で聞いていた今日子さんが言った。
「今日子、怒るな。親切心で言ってやっているんだ。佐伯リカコは相当、雨宮拓海に想いがあるぞ」
「望月先生、どういう意味ですか?」
「『フラワームーンの願い』の中の佐伯リカコと、今夜、隣で雨宮拓海を見つめていた表情が同じに見えた。きっと映画の中の佐伯リカコは雨宮拓海を見ていたんだろう。そしてそれは今も変わっていない。あれは好きな男を見る表情だ」
そんな……。
佐伯リカコは妻子持ちの男が好きだったんじゃないの?
もしかして、拓海さんに恋人のふりを頼んだのは、本当は拓海さんと恋人になる為の作戦?
『拓海はもう私の事、好きじゃないの?』
さっき聞いた言葉が過る。
あの言葉からは拓海さんへの好意が感じられた。
考えたくないけど、佐伯リカコは拓海さんが好きなんだ。
だとしたら、私はどうすればいいの?