雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
改札に行くと、ベージュ色のニットワンピにキャラメル色のショートブーツ姿のまりえちゃんがいた。私だったら絶対にワンピの下はジーパンだけど、まりえちゃんは何と、生足! 細くて真っ白な美脚が膝上丈のワンピから出ている。

まりえちゃんぐらい、綺麗な足をしていたら、自信を持って足を出せそう。うらやましい。

私はというとジーパンにストライプシャツでその上に丈の長いブラウンのベスト。

まりえちゃんがお洒落ベストですねって褒めてくれたので、ニットワンピ可愛いねって私もお返しに誉めた。そしたらまりえちゃんが嬉しそうな顔をして、お料理教室の後は彼とデートなんですって口にした。

いいな……。

私も休日に拓海さんとデートしたい。

電源を切ったままのスマホがまた気になる。

やっぱり電源入れておこうかな。
電源を切ったままじゃ、拓海さんが心配するだろうし。

結局、心配させたいから電源を切っているんだよな。

子どもっぽいな。私。

「中島さん、とりあえず駅ビルでお土産探します? なんかケーキ屋さんありましたよ」

「あっ、私、錦糸町の駅で大きいフルーツタルト買って来たよ。栗原さんはお子さんが2人の4人家族だよね。私とまりえちゃんの分も入れても余るぐらいだと思うよ」

「さすが中島さん。じゃあ、栗原さんに着いた事、知らせますね」
「ありがとう」

まりえちゃんがスマホを操作して、それから5分後ぐらいに駅のロータリーの所に栗原さんが運転する黒のワンボックスカーが停まる。

「乗って」と運転席から声をかける栗原さんがクールでカッコイイ。

とてもワンボックスカーなんて私には大きくて運転する自信がない。栗原さんが慣れている感じで運転して、あっという間に栗原家に到着。バックで車を車庫に入れる姿もカッコ良くて栗原さんをアネゴって呼びたくなった。
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