雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
こんな時に限ってハンカチが見当たらない。ティッシュもない。
なんでさっきティッシュ配りのお姉さんからもらわなかったんだろう。キャバクラのティッシュでも、受け取れば良かった。
仕方なく、溢れてくる涙を指で拭う。
拭っても拭っても溢れてくる涙と鼻水。
気合いを入れて作ったメイクが崩壊する。
アイシャドウもマスカラも流れて、きっとパンダ目になっている。
到底、人前に晒せる顔じゃない。
とりあえずトイレに駆け込もう。
そう思った時、目の前にハンカチが差し出された。
「どうぞ」
ハンカチに添えられた低めの男性の声は優しさを感じるものだった。
普段だったら決して受け取らないけど、すがるように私はそのハンカチを受け取り、顔に当てた。
ハンカチからは甘い柔軟剤の香りがする。
ああ、優しい匂い……。
優しい人だな……。
そう思ったら目の奥が熱くなって涙が溢れる。
どこの誰か知らないけど、声をかけてもらった事にほっとする。この世界に私の味方なんて誰一人いない気がしていたけど、ハンカチを貸してくれる人もいると思ったら心が救われた。
なんでさっきティッシュ配りのお姉さんからもらわなかったんだろう。キャバクラのティッシュでも、受け取れば良かった。
仕方なく、溢れてくる涙を指で拭う。
拭っても拭っても溢れてくる涙と鼻水。
気合いを入れて作ったメイクが崩壊する。
アイシャドウもマスカラも流れて、きっとパンダ目になっている。
到底、人前に晒せる顔じゃない。
とりあえずトイレに駆け込もう。
そう思った時、目の前にハンカチが差し出された。
「どうぞ」
ハンカチに添えられた低めの男性の声は優しさを感じるものだった。
普段だったら決して受け取らないけど、すがるように私はそのハンカチを受け取り、顔に当てた。
ハンカチからは甘い柔軟剤の香りがする。
ああ、優しい匂い……。
優しい人だな……。
そう思ったら目の奥が熱くなって涙が溢れる。
どこの誰か知らないけど、声をかけてもらった事にほっとする。この世界に私の味方なんて誰一人いない気がしていたけど、ハンカチを貸してくれる人もいると思ったら心が救われた。