雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
キッチンに残されたまりえちゃんと私はとりあえず、エプロンを身につけ、手を洗い、準備を始める。
「なんか楽しくなって来ました」
私の紺色の地味なエプロンとは対照的なピンク色の可愛らしいエプロンをつけたまりえちゃんが弾むような声で言った。
「彼、和食が好きなんですよね。だから今日は肉じゃが教えて下さいって、お願いしてあるんです」
彼か。
私もそんな風に拓海さんの事話したいけど、今は話せない。12月になったら言えるのかな。
「中島さんの彼氏さんは何が好きなんですか?」
彼氏さんと言われてドキッとする。
「えっ、私はそういう人はいないから」
「本当ですか? なんか最近、中島さんの雰囲気が変わったから彼が出来たのかと思いましたけど」
まりえちゃん、鋭い。
「彼なんて呼べるような人いないよ」
「もしかして不倫の彼?」
「だから、そういう人はいないって」
「ふーん、そうなんですか」
まりえちゃんがまだ疑うような目で見ている気がする。
「まりえちゃん、それより肉じゃがの材料は?」
「はーい。ここに」
まりえちゃんがじゃがいも、にんじん、タマネギの入ったレジ袋を置いた。
「あれ? お肉は?」
「あ」
まりえちゃんが長いまつ毛をパチパチと上下させる。
「お肉って必要でしたっけ?」
「だって肉じゃがでしょう?」
そんなやり取りをしていると栗原さんが戻って来た。
「なんか楽しくなって来ました」
私の紺色の地味なエプロンとは対照的なピンク色の可愛らしいエプロンをつけたまりえちゃんが弾むような声で言った。
「彼、和食が好きなんですよね。だから今日は肉じゃが教えて下さいって、お願いしてあるんです」
彼か。
私もそんな風に拓海さんの事話したいけど、今は話せない。12月になったら言えるのかな。
「中島さんの彼氏さんは何が好きなんですか?」
彼氏さんと言われてドキッとする。
「えっ、私はそういう人はいないから」
「本当ですか? なんか最近、中島さんの雰囲気が変わったから彼が出来たのかと思いましたけど」
まりえちゃん、鋭い。
「彼なんて呼べるような人いないよ」
「もしかして不倫の彼?」
「だから、そういう人はいないって」
「ふーん、そうなんですか」
まりえちゃんがまだ疑うような目で見ている気がする。
「まりえちゃん、それより肉じゃがの材料は?」
「はーい。ここに」
まりえちゃんがじゃがいも、にんじん、タマネギの入ったレジ袋を置いた。
「あれ? お肉は?」
「あ」
まりえちゃんが長いまつ毛をパチパチと上下させる。
「お肉って必要でしたっけ?」
「だって肉じゃがでしょう?」
そんなやり取りをしていると栗原さんが戻って来た。